手根管症候群(手のしびれ)の症状と治療法①

近年、手の指の痛みやしびれを訴える女性が増えており、「手根管症候群」という症例が注目されています。

手根管とは、ひら側の付け根の部分にあり、長さ2~3cmほどのトンネル状のところです。

手根管の中の圧力が高くなって、手根管の中を通っている神経が圧迫されるため、手指にしびれや痛みを感じるようになります。

そのまま放置しておくと、ものをつかみにくくなり、ボタンかけづらくなったりします。

手根管症候群は、主に中年の女性が多くかかる病気です。


手根管症候群は特に原因が見あたらないことが多いのですが、手首の脱臼や骨折による変形、1日中キーボード操作をしたり、皿洗いや草取りなど、手作業を頻繁に行う場合にも起こります。

人工透析を長期にわたって受けている患者は、透析でアミロイドという物質が手根管にたまり、発症しやすくなります。

また、中年期の女性の妊娠中や出産前後、閉経前後にも起こりやすいといわれています。

手根管症候群(手のしびれ)の症状と治療法②

手根管症候群を診断する方法には、主に知覚検査や電気生理学的検査などがありますが、簡単な自己診断法を二つ紹介します。

最初は、手根管のところを手で叩くと、しびれがある指に痛みを感じます。

二番目の方法は、手首を上あるいは下に曲げた状態にしておくと、だいたい1分以内に手指に強いしびれを感じます。

また、ファーレン・テストという自己診断方法があり、手首と指を脱力し、手首を垂れ下がった状態にして、もし1分以内にしびれが強くなれば手根管症候群の可能性が疑われます。

そういう場合には、医師の診断を受けることをおすすめします。


手根管症候群は、原因が明らかでなく、症状が軽い場合は保存的治療を行います。

手首をサポーターなどで固定したり、症状に応じて、消炎鎮痛薬を飲んだり、ステロイドを手根管に注射したりします。

それでも、改善しない場合や、親指のつけ根の筋肉に萎縮がみられ、筋力が落ちた場合には手術をすることになります。

手術は、手首の手のひら側を切開して神経の圧迫を除く方法が一般的です。

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